EPA(エイコサペンタエン酸)とは?

EPA(エイコサペンタエン酸)とは?

EPAとは、人間の体内では作ることのできない非常に有用な栄養素、多価不飽和脂肪酸の一種でエイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acid)の略称です。
人間の体内では作ることのできない栄養素ですが、必須脂肪酸の一つなので食べ物から摂取する必要があります。

そもそもEPAが注目されることになったのはグリーンランドに住むイヌイットの脳血栓や心筋梗塞による死亡率がデンマーク人よりもがはるかに低いことからでした。
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同じように高脂肪食を食べるデンマーク人との違いはアザラシや魚などを主食としていることで、それらに含まれているEPAの効果ではないかと考えられています。

そんなEPAですが主に青魚に多く含まれています。イワシ、サバ、アジ、サンマ、マグロ、カツオ、ハマチなどに多く、他にもアンキモやウナギなどにも含まれます。

EPAを摂取することによる効果もさまざまあります。

心筋梗塞や虚血性心疾患、動脈硬化、脳梗塞、脳卒中、血栓症高脂血症などの予防や改善に役立つことが明らかになっています。

アレルギー症状でもあるアトピー性皮膚炎や花粉症などの症状の緩和に効果があることもわかっています。炎症やアレルギーの原因になっている物質の量を低下する効果があると言われているのです。それ以外にも感染症を予防したり、精神を安定させる効果もあるとされています。

EPAは基本的には非常に安全な成分です。しかしEPAの過剰摂取によって血液が凝固しにくくなりすぎてしまうため、出血したときに止血しにくくなるとの指摘もあります。いくら安全性の高い成分とはいえ、摂取量には注意が必要です。

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EPA(エイコサペンタエン酸)の効果

EPA(正式名称 エイコサペンタエン酸)には、様々な効果があると言われています。EPAの効果についての解説です。

ドロドロの血液をサラサラにしてくれる効果

907_02EPAには、血液をサラサラにする効果があります。

どうやってこのEPAが血液をサラサラにしてくれるのかというと、EPAは血栓の原因となってしまう、血小板の固まりやすさを防いでくれる効果があるのです。

つまりEPAを摂取する事によって血小板が固まりにくくなり、血液はサラサラになるという仕組みです。簡単に言えば血管で血液が詰まりにくくなるという効果なのです。

またEPAにはそれだけでなく中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす働きがあって、それによっても血液をサラサラにし、先程の血栓の様な病気のリスクも下げて、ドロドロの血液を改善してくれるという効果があります。

血管を柔らかくする効果

907_03EPAの摂取量が多い人ほど血管に柔軟性がある事が分かりました。

EPAには、血管を柔らかくする効果があります。研究により魚類を摂取する割合が高い人ほど血管が柔らかい事が分かりました。

では、どのような仕組みで血管を柔らかくしているのでしょうか?

血液中には赤血球という細胞があるのですが、この細胞の主な役割は全身の細胞に不可欠な酸素を運ぶというものです。EPAを多く摂取している人は、この赤血球の外側の膜が柔らかくなっています。

体には非常に細い血管、いわゆる毛細血管がありますが、赤血球が柔らかいとそこに入りやすくなります。

結果としてEPAの摂取量が少ない人よりも、体の隅々の細胞まで栄養素が届くため、血管の柔らかさを保ちやすいのです。

マクロファージの抑制よる抗炎症効果

907_04EPAには、抗炎症効果があります。これは以前より知られていた事実ですが、これまではそのメカニズムが十分に解明されていませんでした。

ところが、最新の研究によって具体的に明らかになってきたのです。
炎症の大きな原因となるものとして、白血球の一種であるマクロファージが知られています。マクロファージが活性化することによって、さまざまな炎症が起こってしまうのです。

EPAは不飽和脂肪酸の中でもω(オメガ)-3脂肪酸に分類されますが、これはマクロファージの活性化を抑制する働きがあることが分かったのです。

この点からEPAには抗炎症効果の一つとして、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状を緩和させる効果も期待されています。

継続的摂取による精神安定効果

907_05魚に含まれるEPAの継続的摂取することにより、精神安定効果があります。魚を良く食べている人ほど精神状態が安定する事と言う事が、研究により解っています。

この事は日本だけでなく、欧米諸国などの先進国でも大きく注目されています。きちんとした研究のデーターで、魚の摂取量が多い国程、うつ病患者が少ないと言う結果があります。

これは、魚に含まれるEPAには、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの働きを高めると言う働きがあるからです。

セロトニンは脳内の感情をコントロールする事に関係しているので、分泌が少ないと、うつ病になったり精神状態が不安定になります。

実際うつ病患者にEPAを摂るという実験をすると、改善傾向が見られます。うつ病だけでなく、アルツハイマー病にも改善傾向が見られます。

驚きの抗アレルギー効果

907_06EPAには、抗アレルギー効果があります。

EPAには抗アレルギー薬と同じような作用があり、アレルギーの原因となる多くの物質を抑える効果や、アレルギーの症状を和らげる効能があります。

花粉症からアトピーが原因となる皮膚炎まで幅広いアレルギーに効果があるため、EPAの多く含まれる青魚はアレルギーに効果があるとして多くの人々から注目を集めています。

EPAを含んだサプリメントも発売されていて、抗アレルギー作用に効果があるとしてアレルギーに悩む人々から人気の商品となっています。アレルギーを改善する物質としてEPAの需要と人気は高まっています。

EPAの1日当たりの摂取量と摂取の方法について

1日当たりの摂取量は、特に決められていません。(厚生労働省 日本人の食事摂取基準 2010年版までは1000mgと記載がありましたが、2015年度版では削除されています。)

摂取の仕方についてですが、これは大きく分けて2つの方法があります。1つは、魚に豊富に含まれていますので、魚を食べる事によってそこから直接得るという方法です。

EPAが豊富に含まれているのは、サバやイワシ、アジが有名です。またはマグロのトロやイクラも多くEPAが含まれています。この場合注意すべき事は、EPAが熱に弱いという事です。
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もし魚を食べる事によって摂取したい場合は、できるだけ生で食べる様にしましょう。日本人が良く食べる寿司や刺身などがこれに適しています。鮮度も大事です。

そしてもう1つの方法が、サプリメントによって摂取する方法です。

この場合にも注意すべき点があり、それはトランス脂肪酸が含まれているか、いないかという事です。トランス脂肪酸は健康に害を及ぼす事が様々な研究で指摘されているので、サプリメントで摂取する場合は、トランス脂肪酸が含まれていない物で摂る方が安全性は高いのです。

EPAとDHAの違い

EPAとDHAはどちらも不飽和脂肪酸で、体内で作り出すことのできない成分です。

またこの2つが多く含まれていること知られている食べ物も非常に良く似ています。この不飽和脂肪酸は細かく分類するこが出来ますが、EPAとDHAはω(オメガ)3脂肪酸というものに属します。
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オメガ3脂肪酸には悪玉コレステロールや中性脂肪の減少、また生活習慣病の予防や血圧向上の抑制などの効果がありますが、EPAとDHAではこのような病気の予防のために働きかける体の部位が異なります。

まずEPAですが、この成分は主に血液に働きかけ、病気を抑制し、健康促進に寄与します。

EPAには赤血球を柔らかくし、尚且つ血小板の過剰凝固を抑制する働きがあります。そのため血管内の血液の流れをスムーズにします。

この働きのおかげで血管内に血栓が出来ることを防ぐことが出来ます。そしてスムーズな血液の流れは血管を柔らかくし、生活習慣病を予防することに大きく貢献します。

そしてDHAですが、この成分は神経細胞の細胞膜を柔らかくしたり、脳、そして神経系に働きかけるものです。

確かに中性脂肪を減少させて脳梗塞や脳血栓、そして心臓病の危険を低めるというEPAに似た働きがあるものの、主な役割は脳神経に働きかけて脳を活発にすることです。

またEPAよりもDHAの方が動脈硬化の要因となる悪玉コレステロールの予防には効果的であることも特徴の一つです。このようにEPAそしてDHAは異なる成分ではあるものの、健康促進に非常に重要なものです。

EPAの副作用と安全性

体に良いとされているEPAを摂取する際に気をつけるべきことです。

907_10EPAの副作用としては、EPAは血液をさらさらにする働きがあるので、大量に摂取するとケガしたときなどの出血が止まりにくくなります。

また、げっぷや吐き気、鼻血、軟便などが報告されています。

さらに、妊娠中・授乳中の安全性に関しては十分なデータがないため、魚などの食品によって摂取するのは問題ありませんが、サプリメントからEPAを単体で過剰に摂取する事は避けたほうがいいでしょう。

米国FDAでは、サプリメントからの摂取はDHAとEPAをあわせて、1日あたり2gを越えない様にとされています。

EPAサプリメントの選び方や注意点

907_11EPAは不飽和脂肪酸ですので、青魚などを食べることによって摂取できますが、EPAサプリメントを用いることで定期的に継続して補給することが可能になります。

EPAサプリメントは同じ不飽和脂肪酸のDHAと一緒に配合されていることが多く、日常生活における魚不足を補うことができるのです。

EPAサプリメントを選び方やその際の注意点ですが、まずは配合量をチェックしましょう。

1日当たりの必要量などは決められていませんが、配合量が極端に少ないものは避けるようにするとよいです。

他の栄養成分とミックスされていて、僅かしか含まれていないというケースもありますので、注意しなければなりません。

またEPAだけでなく、同時にDHAも摂取できたほうが、食事で魚を食べているのと近い形になります。

次にEPAは酸化しやすいので、サプリメントのケースに入っていても次第にEPAとしての効果がなくなってしまうのです。

ビタミンEなどの酸化防止剤が配合されていると、ケースを何度も開け閉めしても比較的酸化を抑えることができます。

そして、特に注意しなければならないのは、水銀などの重金属が含まれていないかということです。
妊婦 疑問
自然界においては小さい魚を大きな魚が食べるので、次第に水銀などの重金属が多く含まれていきます。そのため、サプリメントの販売会社が検査を依頼して、水銀などがEPAサプリメントから検出されなければ問題ありません。

妊婦の場合、胎児に影響が出る可能性がありますので、しっかりとチェックしておく必要があります。

EPAを食品から摂るための食材とレシピ

907_13EPAをサプリメントから摂るのが一番、簡単ですが、普段の食事でもEPAを豊富に含んだ食材を意識して食事をしたいですよね。

EPAの一日の目標摂取量を達成するための助けになる食品とレシピをご紹介いたします。

 

たっぷりEPAがとれるいくらで簡単親子丼

いくらには、EPAが100gあたりおよそ1600mgも含まれます。100gの値段はというとだいたい200円から350円くらいが相場のようです。

簡単に手に入る食材で、動脈硬化や花粉症の予防にも良いとされるEPAを積極的に摂取してみましょう。

おすすめするのは、火をつかわない「簡単親子丼」です。

「簡単親子丼」レシピ
【材料】(二人分)
・いくらのしょうゆ漬け 100g
・シャケのほぐし身 一瓶
・ご飯
・寿司酢
薬味
・ねぎ
・ゴマ
・のり
【作り方】
1) 寿司酢とシャケのほぐし身を混ぜたご飯を丼にのせて、薬味をぱらぱらします。
2) その上に、いくらをふんわりと乗せるだけ!

一人当たりは、大体400円あれば作ることができるでしょう。シャケにも、EPAは含まれますので、さらなる効果が期待できます。

さんまのEPAを効率的にとれるお刺身ミックスサラダ

さんまは、不飽和脂肪酸の一種であるEPAが豊富に含まれていることで知られています。

さんまのもっとも一般的な調理方法は、焼いていただくことですが、EPAの摂取の点から考えるとこれはあまり適した調理法ではありません。

EPAの吸収率は、調理の仕方によって異なります。焼くと約二割ほどのEPAが失われてしまいます。

一番効率の悪い食べ方は揚げることで、約半分のEPAが流出してしまいます。一番効率的なのは、そのまま生のまま食べるのことです。

さんまのEPAをもっとも効率的に食べるレシピを一品としてお勧めは、「さんまのお刺身ミックスサラダ」です。

「さんまのお刺身ミックスサラダ」レシピ
【作り方】
1) さんまをおろして、わた、骨を丁寧に取り除き、細く切っておきます。
2) たまねぎ、にんじん、他のお好みの野菜も食べやすく細めに切り、少々の塩でもんでおきます。
3) ドレッシングはお酢ベースの和風のものに、ごまを加えます。
4) 野菜の水分を切ったら、さんまに加えドレッシングで和えて出来上がりです。
5) 最後に海苔を細く切ったものを飾ってください。

海苔や人参(βカロチン)、そしてごまを加えたことで、酸化防止効果もあります。一食あたりの費用はこれで約300円程度です。

あん肝でEPAを効率よく摂取するレシピ

あん肝は、EPAを豊富に含んだ食材で、100gあたり2.0~2.8g程のEPAが含まれています。これはサケやアジなどの約2倍ほどですから、いかに多いかがわかると思います。

あん肝というと、あんこう鍋に入れたりしてソテーして食べるのが一般的ですが、EPAは熱を加えると変質して減少してしまいます。

ですので、なるべく焼かず、煮すぎずがポイントになります。

おすすめのレシピは「あん肝の酒蒸し」です。蒸す程度ならEPAの流失を防ぐことができます。

「あん肝の酒蒸し」レシピ
【材料】
・あん肝
・お酒
・塩

【作り方】
1) あん肝は軽く水洗いし、塩を適量振りラップをかけて1時間放置しておきます
2) 1時間たったら、あん肝の塩気をとるため日本酒で洗い流します。
3) 蒸し器の底に清酒をたっぷり入れ、蒸し器用の網にあん肝をのせ、蓋をします。
4) 沸騰してから25分蒸します

料金もあん肝だけなので経済的です。是非効率の良いEPAの摂取にオススメします。

太刀魚(タチウオ)でEPAを摂取する

太刀魚は普段あまり食卓に並ぶことのない魚かもしれませんが100gあたりの太刀魚には約360mgものEPAが含まれており、EPAを摂取するには良い魚です。

太刀魚の一般的な調理法は刺身や太刀魚の握り寿司、それにから揚げなどが上げられます。

EPAを効率よく摂取できるおすすめ太刀魚料理は「カルパッチョ」です。

「太刀魚のカルパッチョ」
【作り方】
1) 新鮮な太刀魚の半身(20cmくらいのもの)を三枚におろし、食べやすい大きさに切ります。このとき、なるべく薄く切るようにします。
2) この薄切り太刀魚に、薄切りキュウリを少し重ねるようにして皿に交互に置いていきます。
3) その上にみじん切りした玉ねぎを置き、さらにその上にミニトマト3個と水菜を少々置きます。最後にパセリを振りかけ、イタリアンドレッシングをかけて出来上がりです。

この調理は、1食200円くらいで作ることができます。

美味しいカツオを食べて、EPAを効率よく摂取する

春獲りのカツオには、あまりEPAが含まれていないものの、秋獲りのカツオ100gには約400mgのEPAが含まれています。カツオといえば何といっても刺身、もしくは、たたきが一般的な調理法として知られています。

EPAを可能な限り損なわれないようにするためにはカツオの油を無駄なく食べることが必要ですが「カツオのサラダ」はその点で適しています。

「カツオのサラダ」レシピ
【材料】
・生のカツオ

・レタス
・玉葱
・トマト
・カイワレ
※お好みの量用意します。

ドレッシング
・醤油 10g
・ごま油 10g
・みりん 5g
・米酢 5g

【作り方】
1) 野菜をすべて食べやすく刻みます。
2) 生のカツオを一口大に切るか、もしくはスライスして(1)の野菜にミックスさせます。
3) ドレッシングを混ぜ合わせれば出来上がりです。

一人前のカツオのサラダは、150円くらいで作ることが出来ます。

青魚の中でもダントツに多くEPAが含まれているアジ

栄養が豊富なことで昔から知られている魚のアジに含まれる100gあたりのEPAの含有量は約1.0g~1.6gです。アジは青魚の中でダントツに多くEPAが含まれいます。

そんなアジを美味しくいただく調理法としては「塩焼き」や「南蛮漬け」などがありますね。また新鮮なものであればお刺身としていただくこともできます。アジのお刺身は生姜醤油が合います。

アジに含まれるEPAを可能な限り損なわれないようにするには「ホイル焼き」がおすすめです。

普通に焼いてしまうと、アジの油が落ちてしまいます。そうなると大切なEPAも失われてしまうのでホイルに包んで焼くのがおすすめです。

「アジのホイル焼き」レシピ
【作り方】
1) アジに火が通りやすいように十字に切れ目を入れます
2) アルミホイルにアジ、きのこ類、レモンの輪切り、塩ひとつまみを振り包みます。
3) フライパンに(2)のアルミホイルをいれて、アルミホイル半分が隠れるくらいの水をいれて蓋をし蒸し焼きにします。
4) 沸騰したら火を弱火にして5分ほど蒸し焼きにして出来上がりです。
5) お好みで醤油をかけてください。

アジのホイル焼きはとっても安上がりで1食分150円程度です。栄養たっぷりのアジをぜひ美味しく召し上がってください。

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 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。