メタボリックシンドローム・内臓脂肪が多いと悪玉(LDL)コレステロールも連動して上がる?お腹のお肉とコレステロールの関係を看護師が解説!(2) 対策編

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★メタボと中性脂肪、コレステロールの関係については、前編でそれぞれがどう連動して上がるのか、メカニズムを見てきました。

→前編: メタボリックシンドローム・内臓脂肪が多いと悪玉(LDL)コレステロールも連動して上がる?お腹のお肉とコレステロールの関係を看護師が解説!(1)メカニズム編

続いては、では具体的にどのようにすれば内臓脂肪を減らしてメタボを解消し、中性脂肪・コレステロールの悪循環を断てるのか、具体的な方法を看護師が解説していきますね。

メタボリックシンドローム改善の基本は食事と運動

1964_134放置すると動脈硬化が進んでしまうメタボリックシンドローム、今日から早速、改善に向けて取り組んでいきましょう。

コレステロールに関する病気

目標は体重の5%減量

メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の過剰蓄積が原因です。

まずは体重の5%減量を目標にしましょう。

急な減量ではなく、無理せず3~6ヶ月かけてゆっくり確実に減量していきます。

内臓脂肪は、皮下脂肪より蓄積しやすいですが、同時に減りやすいのが特徴です。

食事量を減らし、運動などの活動量を増やすことだけでも、思ったより効果が現れやすいです。

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例えば体重80㎏の人の場合を見てみましょう。
  • 体重の5%:4㎏
  • 3~6ヶ月で4㎏減量→ 1ヶ月:平均1㎏くらい
↓ 1㎏の減量効果は?
  • 腹囲:1㎝短縮
  • 内臓脂肪面積:7.5㎠減少
↓ 4㎏減量すると…
  • 腹囲:4㎝短縮
  • 内臓脂肪面積:30㎠減少

5%の減量だけでも、肥大した脂肪細胞が元の大きさに戻り始め、アディポサイトカインの分泌が正常に近づき、血圧、血糖、血中脂質の数値に改善が見られてきます。

5%減量達成後は、適正体重 (身長(m)²×22=適正体重)になるよう継続していきましょう。

適正体重は170㎝の人なら、1.7×1.7×22=63.58㎏になります。

食事からの摂取エネルギーを減らす

 
内臓脂肪の溜まる原因の一つは、食べ過ぎです。

体重を減らすには食事を改善し、「摂取エネルギー(食事)< 消費エネルギー(運動など)」という状態にする必要があります。

手順は次のようになります。

<摂取エネルギーを適正値にする>

まず、1日に必要な摂取エネルギーを見てみましょう。

年齢や活動量で差はありますが、目安は次の通りです。
  • 170㎝男性:活動量少ない1600~活動量多い2200㎉
  • 156㎝女性:活動量少ない1300~活動量多い1800㎉

1日の摂取エネルギーを適正値内に収めることから意識していきましょう。

<1ヶ月1㎏の減量方法>

1㎏の脂肪を1ヶ月で減らすには、どのようにすればよいでしょうか。
  • 脂肪1gの消費エネルギーは7㎉→ 1000g(1㎏)×7㎉=7000㎉
  • 1ヶ月7000㎉のエネルギー減量が必要
  • 7000㎉÷30日=1日230㎉

1964_137230㎉は、基本のハンバーガー1個、ドーナツ1個、あんぱん1個分くらいになります。

おやつを低カロリーなものに変えるだけでも効果が出そうですね。
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<減量時の注意>
1964_134食事量を減らすと、栄養バランスが崩れることがよくあります。

何かを極端に減らして減量することは、逆効果になりかねません。

健康的に減量するには、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどをバランス良く摂ることが大切になります。

そして、食習慣も改善していきましょう。
  • 3食規則正しく食べる
  • 腹八分目で切り上げる
  • よく噛んでゆっくり食べる
  • 就寝前2時間は食べない
  • おやつは低カロリーのものにする
  • 飲酒はしない、もしくは節酒を心掛ける
  • (1日の適量は、男性:日本酒換算1合程度/女性:日本酒換算0.5合程度)

運動で消費エネルギーを増やす

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メタボリックシンドロームの改善には、運動が欠かせません。
  • 体を動かす習慣をつける
  • 軽い運動(有酸素運動)を継続する
  • 筋肉を鍛える

この3つを行うことが、基礎代謝を高め、消費エネルギー増量にとても大切になります。

<体を動かす習慣=日常生活での活動量を増やす>
1964_91日常生活での動作を少し工夫するだけでも、消費エネルギーを増やせます。

  • 掃除をまめに行う
  • 階段を使う
  • 遠回りをして帰る
  • バスや電車の中では立つ
  • テレビを見ながらストレッチ
  • 子供とスポーツをして遊ぶ

などを意識して、体を動かしていきましょう。

<有酸素運動>
1964_101有酸素運動は、脂肪燃焼に有効な運動です。
悪玉コレステロール値を下げる運動

ゆっくり軽く運動するのがポイントです。

ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリング、縄跳びなどがあります。

運動の習慣がない場合は、通学通勤時や外出時に早歩きを意識することから始めても良いでしょう。

<筋肉の強化>
1964_108消費エネルギーを増やすためには、筋肉を鍛えることも必要です。

脂肪より筋肉の方が基礎代謝が高く、減量後も太りにくい体質になります。

スクワット、腕立て伏せ、腹筋などの筋肉トレーニングが代表的です。

もちろん無理は禁物で、1種目10回くらいから、できる範囲で始めてみましょう。

家でできる簡単な筋トレ法としては、
  • スクワットは椅子を使い、座る直前で立ち上がる
  • 机の端を使って斜めに腕立て伏せをする
  • 膝を曲げて腹筋する
  • うつ伏せになり、両手両足をゆっくり持ち上げる
などがあります。

気付いた時に実践してみてください。

まとめ

1964_136内臓脂肪の蓄積は、中性脂肪、悪玉コレステロールも増やしてしまいます。

過剰になるとメタボリックシンドロームとなり、動脈硬化を促進させ、更に進行すると脳血管障害や狭心症、心筋梗塞につながっていきます。

動脈硬化は自覚症状が乏しいため、気付いた時にはかなり悪化していることもあります。

体重が増えてきた、お腹が出て来た、健康診断で注意された、などを契機とし、改善に向けて早く行動に移すことが大切です。

日々のちょっとした努力を継続することで、早期改善を目指しましょう。

前編では、メタボ、内臓脂肪、中性脂肪、コレステロールがどう連動して影響し合っているのかを解説しています。

なぜメタボになってしまうのか、高コレステロールと連動してしまうのはなぜか?理由をしっかり知りたい方にはこちらの記事で解説しています。
「メタボリックシンドローム・内臓脂肪が多いと悪玉(LDL)コレステロールも連動して上がる?お腹のお肉とコレステロールの関係を看護師が解説!(1) メカニズム編」

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 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。