家族性の高コレステロールは下げられる?食事、運動、生活の注意点を栄養士がアドバイス

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コレステロールの遺伝食生活を含め、生活習慣には気をつけているのに、コレステロールが高くなってしまったり、コレステロール減少効果のある食品をとり入れたり、運動を積極的に行ってもコレステロールがなかなか下がらないという人はいませんか?

コレステロールが上がってしまう原因としては、不規則な生活習慣が挙げられ、改善をすることによってコレステロール値の改善が期待できると言われています。しかし、いくら頑張っても、なかなか結果が現れにくいという人は、遺伝によるものという可能性も考えられます。

遺伝による高コレステロール血症は、「家族性高コレステロール血症」と呼ばれています。それでは、この家族性コレステロール血症とはどのような疾患であり、コレステロールのコントロールは可能なのか、食事や運動など、生活上の注意点を解説していきます。

家族性高コレステロール血症ってどんな病気?

生活習慣病の代表的なものとして挙げられる脂質異常症の中に、高コレステロール血症があります。高コレステロール血症は、食品から摂るコレステロールの量と、体内でつくられるコレステロールの肝臓での調整が上手く行われなくなることが原因で起こります。

血液中のコレステロールを細胞内に取り込む働きをするのがLDL受容体です。

しかし家族制高コレステロール血症の人はこの受容体を働かせる遺伝子に異常があり、血液中のコレステロールを細胞内に取り込むことができなくなります。そのため血液中のLDLコレステロール濃度がどんどん高くなります。

通常はコレステロール値が250mg/dL以上あると危険とされていますが、家族性高コレステロール血症の場合は生まれつき、300mg/dL以上ある場合が多く、さらに高い600~1000mg/dLになることもあります。

この数値は血液検査で知ることができますが、子供のうちは詳細な検査をする機会が少なく、大人になってから初めて知るということも少なくありません。両親のいずれかから遺伝として受け継がれたこの病気は、500人に1人が悩んでいます。

家族性高コレステロール血症の治療法は?

通常の高コレステロール血症の治療においては、食生活や運動習慣の改善がとても大切だとされていますが、家族性高コレステロール血症においても、薬物療法を行いながら、正しい生活習慣を身につけることが重要とされています。

食事療法は効く?

和食高コレステロール血症の食事療法としては、脂質が少ないものを摂る、コレステロールを下げる食品を摂るといった方法が中心となります。遺伝性のものだから、食事をいくら気にしても意味がないと思うのは間違いです。

家族性高コレステロール血症を根治することは現在のところできません。治療はコレステロール値を下げる薬を服用しつつ、食事療法と運動療法を並行して行うことが基本です。

食事は低コレステロール・低脂質なものを心がけます。また軽い有酸素運動をすることで、血中の脂質をエネルギーとして消費することも重要です。

家族制高コレステロール血症の人は小さいころから血中のコレステロール濃度が高く、動脈硬化の進行がとても速いです。服薬はもちろん、食事と運動も医師の指導に従うようにしましょう。

運動は効く?

運動運動は、食事と同じく、家族性高コレステロール血症の根治治療にはなりませんが、症状の悪化防止に役立ちます。また、高コレステロール血症以外の生活習慣病や、万病の原因になる肥満を改善するという意味でも積極的に行いましょう。

運動は簡単なものでも良いですが、特に効果的なのは、ウォーキングやサイクリングなど、酸素を取り入れながら行う有酸素運動です。20分以上行うことで脂肪燃焼ができるとされているので、できれば時間も意識しましょう。

20分以上続けることが難しければ、5分でも10分でも大丈夫です。運動は続けるということが一番大切です。負担を感じずに継続できるものを選び、できれば毎日、少なくても週に3回以上は運動をする習慣を身に付けてください。

痩せ型の人も生活習慣の見直しは必要?

体脂肪計通常の高コレステロール血症は、生活習慣が原因となることが多いので、肥満を伴う場合が多いのですが、家族性高コレステロール血症は普通体型や痩せ型の人も多く見られます。

痩せ型の人の場合は、普通体型まで体重が増えても問題はないのですが、健康を維持する上で大切なのは、体重よりも体脂肪です。適正な体脂肪率(男性15~20%、女性20~28%)を維持するためにも、食事管理や運動はしっかりと行いましょう。

結論

遺伝による家族性高コレステロール血症は、通常の高コレステロール血症の治療と同じように、食生活や運動などの正しい生活習慣を身につけることが大切です。

脂質の量や質に配慮し、植物性食品をしっかりととり入れた栄養バランスの良い食生活、週に3日以上の有酸素運動を行う習慣を身に付け、薬だけには頼らずに、コレステロールをコントロールできるような生活を送りましょう。

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 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。