ヴィーガン/ベジタリアンなのに悪玉コレステロールが高い場合の原因と対策

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ヴィーガン動物性の食品を口にせず、植物性の食品を主として食生活を送っている人たちをヴィーガン、またはベジタリアンといいます。肉や魚、牛乳や卵など、動物由来の原材料が使用されているものを、ほとんど口にしないのが特徴です。

動物性脂質を摂ることがないので、さぞかし健康で、悪玉コレステロールも低いことだろうと思いきや、意外とそうでもないようです。菜食主義者でも悪玉コレステロールが高い原因と、その対策について解説します。

ヴィーガン/ベジタリアンについて

ヴィーガンとベジタリアンの違い

もともと、ベジタリアンという言葉は日本でもよく知られており、野菜を中心にした食生活を送っている人たちを表す言葉でした。しかし最近では、ヴィーガンという新しい言葉も登場しています。

この二つの大きな違いは、ベジタリアンは健康を目的とした菜食主義者であり、ヴィーガンは動物愛護の精神から生まれたものです。ベジタリアンは、少量の乳製品や、卵などを口にすることはあっても、ヴィーガンは動物から産まれたものである乳製品や卵、はちみつやゼラチンなど、全てを排除する人たちのことを指し、思想に大きく違いがあります。

ヴィーガン/ベジタリアンの食生活

ヴィーガンやベジタリアンの、主なたんぱく質源は豆腐などの大豆製品です。また、乳製品の代わりには豆乳やココナッツミルクが使用されます。日本にもヴィーガン向けのレストランが登場し、体に優しいメニューが評判なようですが、レシピサイトなどからも、家庭でも作れるメニューを学ぶことができます。

しかし、このような動物愛護の思想がなくても、食生活を参考にしてダイエットに活かす、ヴィーガンダイエットを実行する人も大勢います。肥満や生活習慣病の原因となる、動物性の食品を除けば、カロリー制限をせず、いくらでも食べても良いというものです。

ヴィーガンダイエットをすれば、キレイで健康的な体を手に入られると、誰もが思ってしまいそうですが、実際はそんなに簡単なものではなく、元の食生活に戻した途端にリバウンドをしてしまったり、なかなか結果が出ない人もいるようです。

ダイエットと同じように、菜食主義者だからといって全員が健康であるわけではありません。動物性食品を排除しても糖尿病になることもありますし、コレステロールが高い人もいます。人それぞれ体質が違い、食べる量や料理も様々です。それでは、コレステロールを上げてしまう原因についてみていきましょう。

ヴィーガン/ベジタリアンでもコレステロールが上がる理由

糖質の摂取過多

動物性食品を減らすと、自然と脂質の摂取量が減ります。エネルギーとなる主要栄養素は炭水化物、たんぱく質、脂質の3つなので、脂質を減らすと他の2つの栄養素の摂取量が増えます。

糖質は1g4kcakのエネルギー源です。通常は体を動かしたり生命を維持するうえで、エネルギーは消費されていきます。しかし糖質を過剰に摂取してしまうと、余った糖質が肝臓で中性脂肪値に合成されてしまいます。

このようなメカニズムによって、糖質に偏った食事でも脂肪が蓄積され、中性脂肪が増加する原因となります。中性脂肪と悪玉コレステロールは因果関係があり、中性脂肪が増えると悪玉コレステロールも増加する傾向にあります。

肝機能の低下

血中のコレステロールは、約2割が食事由来、残りの約8割が肝臓で作られています。このように、コレステロールはほとんどが肝臓で作られており、食事からとるコレステロールは血中のコレステロールにあまり影響しないと考えられています。

仮に、コレステロールをたくさん摂ってしまったとしても、肝臓で合成するコレステロールの量を減らすように調整機能が働くので、肝機能が正常であればコレステロールが異常に高くなることはありません。

しかし肝機能が低下していると、調整機能が上手く働かず、コレステロールが増えてしまうこともあります。肝機能を低下させる要素には、アルコールの摂取、たんぱく質不足などが考えられます。野菜中心の食事をしているとたんぱく質は不足しがちになりますし、ヴィーガンやベジタリアンでもお酒を飲む人は要注意です。

また、肝機能を高める成分として知られるタウリンは、イカやタコなどの動物性食品に多く含まれているので、ヴィーガンやベジタリアンが食品で肝機能を高めようとするのはなかなか難しいのです。

コレステロールが高い人の対処法について

ヴィーガンやベジタリアンでも、お米や、カボチャ、芋など、糖質の多い食品を摂ることはできます。

全体のバランスが糖質に偏りすぎないよう、量を調整し、豆類や豆腐などからたんぱく質もしっかりとりましょう。

また、カロリーを気にして油を控え過ぎるのもNG。植物性の油は不飽和脂肪酸が含まれており、コレステロールを下げる効果もあるので、ソテーやドレッシングなどから適度に摂取しましょう。

肝機能を高めるにはタウリンの摂取が効果的ですが、ヴィーガンやベジタリアンはそれが難しいので、できるだけ肝機能を低下させない生活を送ることが重要です。肝臓を作る材料となるたんぱく質をしっかりと摂取し、アルコールもできるだけ控えましょう。

結論

ヴィーガンやベジタリアンだからといって、全員がコレステロールが低いというわけではなく、体質や、食事のとり方次第ではコレステロールが高くなってしまうこともあります。

コレステロールを上げないために、豆腐や豆乳からたんぱく質をしっかりととり、肝機能を低下させないように気をつけましょう。また、糖質に偏りすぎる食事もNGなので、適度に脂質を摂取することも大事です。植物性の油を使った料理もとり入れてくださいね。

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 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。