悪玉コレステロールが高いけれどお酒が飲みたい!ビールは大丈夫?

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ビール宴会やバーベキューなどには欠かせないビール。乾いた喉を気持ちよく潤してくれるので、特に暑い夏の時期には飲む機会も増えてきます。大好きな人も多いビールですが、お酒は太りやすかったり、肝臓に悪いと言われており、飲み過ぎは健康への影響が心配されます。

それでは、ビールに含まれる成分を解析していくとともに、ビールが与える体への影響やメカニズム、コレステロールが高い人に適した飲み方などについて解説していきます。

ビールってどんな飲み物?

缶ビールビールは、麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させた醸造酒で、副原料として米やとうもろこし、糖類などを用いることができます。アルコール分が20度未満と比較的低めのお酒です。

近年はビールの種類が多様化しており、海外製のものが増えてきたり、酵母の種類や熱処理の方法、原料の割合などによって細かく分けられます。節税対策として、ビールよりも安く買える発泡酒や第3のビールと呼ばれる種類も登場しています。

簡単に違いを説明すると、発泡酒はビールに比べて麦芽の含有量が低く、副原料としてハーブや果汁を使用したものもあります。味が薄かったり、苦味が足りなかったりと、ビールが好きな人にとっては物足りないと感じることも多いでしょう。

第3のビールは、メーカーはビールとの誤解を防ぐために「新ジャンル」と称して売り出していますが、一般的には第3のビールという呼び方が浸透しています。原料に麦芽を使用せず、大豆タンパクやとうもろこしなどを用いています。発泡酒に焼酎などを混ぜているリキュール型と呼ばれるものもあります。

ビール1缶(350ml)あたりの食品成分

エネルギー 141kcal
たんぱく質 1.1g
脂質 0g
炭水化物 10.9g
ビタミンD 0μg
ビタミンE 0mg
ビタミンK 0μg
ビタミンB1 0mg
ビタミンB2 0.07mg
ナイアシン 2.8mg
ビタミンB6 0.18mg
ビタミンB12 0.4μg
葉酸 25μg
パントテン酸 0.28mg
ビタミンC 0mg
カリウム 120mg
カルシウム 11mg
マグネシウム 25mg
リン 53mg
0mg
亜鉛 0mg
0mg
食物繊維 0g
食塩 0g

お酒のカロリーはアルコール度数に比例するため、ビールは他のお酒に比べるとカロリーは低めですが、アルコールが低い分、一度に飲む量が多くなる傾向にあります。原料が大麦なので、たんぱく質や糖質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素も含まれています。

ビールとコレステロールの関係

カロリーのとりすぎがコレステロールを上げる?

ビール腹先ほども説明した通り、ビールはアルコール度数が低いため、一度に飲む量が多くなりがちです。350mlの缶を2本飲むだけでもご飯茶碗1杯分(150g)のカロリーを超えてしまいます。「アルコールは熱として発散されるため太らない」という噂もありますが、実はこれは大きな間違いで、余分なカロリーはしっかりと脂肪として蓄積されてしまいますので要注意です。

アルコールをとりすぎると体内の中性脂肪が増えていきます。これが肝臓に溜まると脂肪肝となりますが、体全体の脂肪、つまり体脂肪といわれているものは中性脂肪のことを指します。この中性脂肪には血中の善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やす働きがあります。

ビール自体にはコレステロールは含まれてはいませんが、過剰なカロリーの摂取→中性脂肪の増加→悪玉コレステロールの増加というメカニズムによってコレステロールを上げるという現象が起こるのです。

肝機能の低下がコレステロールを上げる?

コレステロールは食事からの摂取により上がるものだと思われがちですが、実はほとんどが肝臓で作られており、食事からのコレステロールの摂取が影響することはないと考えられています。

肝臓には血中のコレステロールの量を調整する機能があり、この働きによってコレステロールの量が正常に保たれています。したがって、アルコールの摂取によるアルコールの分解で肝機能が低下すると、コレステロールの調整機能が追いつかず、コレステロールを上げる原因となってしまいます。

コレステロールが高い人に適したビールの飲み方

過度なビールの摂取は中性脂肪を増加させたり、肝機能を低下させることによってコレステロールを上げてしまいます。しかし、「酒は百薬の長」とも呼ばれることもあるほど、適度な摂取は健康にも良い働きをしてくれるのも事実です。適度なアルコールの摂取は血中の悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やすともいわれているのです。

ビールの適量ってどのくらい?

瓶ビールアルコールの適量は、純アルコールに換算すると20gといわれています。このくらいの量であれば、健康に影響を与えることなく、お酒を楽しめるというわけです。アルコール度数が5%のビールであれば中瓶1本(500ml)に値します。

この量が多いと感じるか、少ないと感じるかは人それぞれですが、アルコールに弱い人や女性、高齢者はこの量よりも少なめを適量と考えましょう。また、その日の体調や、連日お酒を飲んでいる場合にも酔い具合が変わってきます。

ビールを飲む頻度は?

適量を心がけていても、毎日飲み続ければ肝臓にかかる負担は大きくなります。お酒を飲んだ後、寝ている間にも肝臓はアルコールを分解するために働き続けているのです。肝臓だけではなく、胃や腸など様々な臓器を修復させるためにも、週に2回はお酒を飲まない「休肝日」を設けることが必要です。

おつまみにも気をつけて

おつまみは枝豆お酒を飲むときは主食をとらないことが多いので、栄養バランスが崩れがちです。さらに、おつまみとしては揚げ物のようなこってりとしたものが人気であり、カロリーの摂りすぎに拍車をかけてしまいます。おつまみを選ぶときには、枝豆や冷奴、刺身などの低カロリーのものを選ぶよう心がけましょう。

結論

ビールにはコレステロールは含まれていませんが、過度な摂取によって中性脂肪を増加させ、コレステロールを上げてしまう可能性があります。また、アルコール処理によって肝臓へ負担をかけることで、肝機能が低下し、コレステロールの調整機能が上手くいかず、コレステロールを上げることもあります。

しかし、適度のアルコールは血中の悪玉コレステロールを下げる働きもあることから、週に2回の休肝日を設けながら、1日500mlまでという適量を守っていれば、健康に良い影響を与えてくれるかもしれません。一緒に食べるおつまみにも気をつけながら、正しい飲み方を心がけ、美味しいビールを楽しみましょう

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 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。