ナッツ類(アーモンド、ピーナッツ、ピスタチオ)は悪玉コレステロールを上げる?下げる?

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1717_5お酒のおつまみやサラダのトッピングまで用途が広いナッツ類ですが、脂質が多いということから、肌が荒れる、太りやすいなどマイナスのイメージを持つ人も多くいることでしょう。

しかし一方で、最近では美容や健康に良い効果をもたらしてくれる食品としても注目され始めています。

今回は数あるナッツ類の中でも、特に使用頻度の高い、アーモンド・ピーナッツ・ピスタチオに注目し、どのような栄養成分が含まれ、コレステロールにはどのように影響しているかという点について説明をしていきます。

ナッツ類ってどんな食べ物?

アーモンドについて

1717_1調理法は煎って食べたり、スライスや粉末にしてお菓子に利用されたりとさまざまです。主成分は脂質ですが、炭水化物やタンパク質も豊富に含まれています。

食物繊維の量も多く、15g(約10粒)に1.6gとなっており、そのうちのほとんどが不溶性食物繊維です。

脂質が主成分なので、もちろんカロリーは高く、10粒で90kcalとなっていますが、ビタミンやミネラルも色々な種類が幅広く含まれており、特に抗酸化作用を持つビタミンEはこのわずかな量で1日の必要量の50%も摂ることができます。

ピーナッツについて

1717_2ピーナッツは豆科の食品ですが、他の豆類に比べて脂質が非常に多く含まれているため、食品成分表ではナッツ類に分類されています。主成分は脂質ですが、たんぱく質も多く含まれています。

ピーナッツ15g(殻むき約25粒)のカロリーは84kcal、食物繊維の量は1.1gでアーモンドよりも含有量は低くなっています。ビタミンやミネラルはアーモンド同様色々な種類を含んでいますが、ピーナッツに特に多く含まれているのは、エネルギーを産生する時に欠かせないビタミンの一つであるナイアシンです。

ピスタチオについて

1717_3ピスタチオは煎って食べるだけではなく、スナック菓子や洋菓子の彩りとして使用されます。風味がよく高級感があることからナッツの女王と呼ばれており、緑色が濃く鮮やかなものほど上質とされます。

ピスタチオ15g(殻むき約25粒)のカロリーは92kcal、食物繊維の量は1.4gです。ピスタチオに含まれる栄養成分で特徴的なのは、体内で数多くの酵素となったり、活性酸素を除去する働きをするミネラルの銅で、15gのピスタチオからは1日に必要な量の約3割を摂取することができます。

コレステロールを下げる成分とメカニズム

脂質を構成している脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに分けられます。肉類バターなどの食品に多く含まれる飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを上げ、動脈硬化や脂質異常症の原因となるので摂取量には注意が必要となります。

一方、植物性の油や魚の油に含まれている不飽和脂肪酸は、常温でもサラサラとしているため、血液の中でも固まりにくいという性質があります。ナッツ類に多く含まれるのはこの不飽和脂肪酸の方で、オレイン酸という種類の脂肪酸が血液中の悪玉コレステロールに関係しています。

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オレイン酸は、善玉コレステロールを減らさずに悪玉コレステロールも高めません。ナッツを食べることで善玉コレステロールの持つ「過剰なコレステロールを回収する」という働きを維持しつつ、良質な脂質を摂取することができます。

オレイン酸にはその他にも、生活習慣病の予防や便秘解消などの効果もあります。オレイン酸は、ナッツ類だけではなく、オリーブオイルとうもろこし大豆製品など非常に多くの食品に含まれています。

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コレステロールが高い人に適したナッツのとり方

間食の摂取目安カロリーは200kcalまでが理想とされ、ダイエット中の人であれば100kcalまでが良いでしょう。しかし、ただ甘いだけのお菓子や、油がたっぷりのスナック菓子ではなく、3食の食事で補うことのできない栄養素が含まれているものがベストです。

ナッツ類には、ビタミンやミネラル、食物繊維などの不足しがちな栄養素が幅広く含まれています。間食にナッツをとり入れることで、これらの栄養素を補い、栄養バランスを整えることが可能になります。さらに、コレステロールを下げる効果のあるオレイン酸の摂取もでき、コレステロールが高めの人にも適した間食ということができるでしょう。

しかし、ナッツ類の食べ過ぎは肥満の元です。量に気を付けながら上手にとり入れられるように心がけましょう。次の項目では、アーモンド・ピーナッツ・ピスタチオの摂取目安量と含まれる栄養素の種類について解説します。

ナッツ類のオススメのとり入れ方と量について

間食としてナッツ類をとり入れる場合の目安量と、含まれる栄養素の成分と量を以下にまとめました。

アーモンド ピーナッツ ピスタチオ
1日の目安量 35 g 35 g 35 g
個数 約23粒 約21粒 約21粒
カロリー 209 kcal 205 kcal 215 kcal
脂質 19 g 17.3 g 19.6 g
たんぱく質 6.5 g 9.3 g 6.1 g
カリウム 270 mg 270 mg 340 mg
カルシウム 81 mg 18 mg 42 mg
マグネシウム 109 g 70 g 42 g
1.6 mg 0.6 mg 1.1 mg
亜鉛 1.4 mg 1.1 mg 0.9 mg
0.47 mg 0.24 mg 0.4 mg
ビタミンE 10.9 mg 3.7 mg 0.5 mg
ビタミンB1 0.08 mg 0.08 mg 0.15 mg
ビタミンB2 0.32 mg 0.04 mg 0.08 mg
ナイアシン 1.2 mg 6 mg 0.4 mg
ビタミンB6 0.04 mg 0.16 mg 0.43 mg
食物繊維 3.6 g 2.5 g 3.2 g

アーモンド・ピーナッツ・ピスタチオの3種類は、どれも35gで約200kcalとなりました。しかし、それぞれに含まれるビタミンやミネラル類の量は異なっているので、目的によって種類を変えながら楽しむことをオススメします。

貧血気味・免疫力を高めたい時:アーモンド(鉄分・銅・ビタミンE)
筋力低下を感じる時:ピーナッツ(たんぱく質)
むくみが気になる時:ピスタチオ(カリウム)

これらのナッツを組み合わせても良いですし、間食に適した果物や乳製品と100kcalずつ分けると、さらに色々な栄養素を摂ることもできます。少しの工夫で栄養バランスを整えることができるので、それぞれの特性を良く知り、自分に合った摂り方を見つけましょう。

ナッツを摂り入れる時の注意点

1717_6注意したいポイントは、カロリーはもちろんですが、商品によっては塩分の摂りすぎに繋がるものもあります。塩分の過剰摂取はむくみの原因となり、体重増加を引き起こしてしまいます。

おつまみ用のものは味付けがしょっぱく加工されているので、できれば無塩のナッツ類を選ぶようにしましょう。

また、ナッツ類に含まれる脂は酸化しやすく、酸化した油は体には良くありません。手間はかかりますが、製菓用の生のナッツを購入し、食べる前にフライパンやオーブンでじっくりとローストするのが一番オススメです。

結論

ナッツ類は脂質が多く含まれ、太りやすいイメージがありますが、実はLDLコレステロールを高めないオレイン酸が含まれています。

その他にもビタミンやミネラル、食物繊維など体に嬉しい効果をもたらしてくれる栄養素を摂ることができます。

ナッツ類は間食として摂り入れるのがオススメで、どれも1日35g(200kcal)を目安にすると良いでしょう。いくら体に良いからといっても、これ以上摂取すると肥満の原因となります。さらに、塩分が添加されているものはできるだけ避け、低塩・無塩のものを選ぶように心がけましょう。

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 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。