食卓の名脇役、枝豆には悪玉コレステロールを下げる効果があった

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1649_4食卓にあと一品手軽に何かプラスしたいときや、お酒のおつまみに、お弁当の彩りにとさりげなく活躍してくれる枝豆。

ちょっぴり塩味を効かせた枝豆は、とても美味しくてなかなか手が止まりませんね。

枝豆はたんぱく質が豊富に含まれ、ビタミンやミネラルなどの日本人が不足しがちな栄養素もたっぷりです。そしてさらになんと、コレステロールを下げる効果まで持ち合わせているのです。 美味しくて栄養も優れているとなれば、活用しないわけにはいきませんね。

それでは、枝豆とはどのような食品なのか、食品成分や、コレステロールを下げるメカニズムについて詳しく解説していきます。

枝豆ってどんな食べ物?

枝豆は大豆が成熟する前に収穫されたもので、豆と野菜の両方の特徴を持ち合わせ、意外にも緑黄色野菜に分類されます。健康やダイエットに良いということから日本だけではなく、海外でもとても人気で、グリンピースのように味にクセがなく、嫌いという人が少ない食材の一つです。

家庭で利用するときは、冷凍食品がとても便利で、さやが付いているものはそのまま、むき枝豆は色々な料理のアクセントとして活用できます。生の枝豆は、茹でる手間がかかってしまいますが、冷凍のものに比べると風味が豊かでとても美味しくオススメです。

枝豆の食品成分

それではまず、枝豆小鉢1杯分程度(さや付き 茹で50g)の食品成分をみていきましょう。

1.エネルギー量・水分・主要栄養素

エネルギー 67 kcal
水分 36.1 g
たんぱく質 5.8 g
脂質 3.1 g
炭水化物 4.5 g

2.ミネラル類

ナトリウム 1 mg
カリウム 245 mg
カルシウム 38 mg
マグネシウム 36 mg
リン 85 mg
1.3 mg
亜鉛 0.7 mg
0.18 mg

3.ビタミン類

βカロテン当量 145 μg
ビタミンA 12 μgRAE
ビタミンD 0 μg
ビタミンE 0.3 mg
ビタミンK 17 μg
ビタミンB1 0.12 mg
ビタミンB2 0.07 mg
ナイアシン 0.5 mg
ビタミンB6 0.04 mg
ビタミンB12 0 μg
葉酸 130 μg
パントテン酸 0.23 mg
ビタミンC 8 mg

三大栄養素の炭水化物・たんぱく質・脂質はバランスよく含まれており、ビタミンやミネラル類もさまざまな種類を摂ることができます。中でも多く含まれているのは、銅が1日に必要な量の約30%、葉酸は65%となっています。

枝豆がコレステロールを下げるメカニズム

アメリカでも大ブームを巻き起こした枝豆

1649_3今は枝豆は日本だけの食べ物ではありません。1999年にFDA(アメリカ食品医薬品局)から「成人が1日25g以上の大豆タンパクを摂取すると、虚血性心疾患の原因となるコレステロールを大幅に下げることができる」という見解が出されました。

肥満大国であるアメリカでは枝豆ブームが起こり、映画館でポップコーンの代わりに枝豆が食べられるようになったほどです。大豆に比べると枝豆は手軽に食べられ、大豆タンパクも摂取できます。

大豆タンパクの一部は体の中で胆汁酸と結合し、そのまま排出されます。そして新たに胆汁酸を作るため、血液中から肝臓へのコレステロールの取り込みが増えます。その結果血中のコレステロールが減るというメカニズムです。

また、大豆はタンパクを構成している必須アミノ酸のバランスが非常に良く、タンパク質の合成がスムーズに行われる栄養価の高い食品であるといえます。動物性たんぱく質の食品と比べて脂質の含有量も低いことから、健康やダイエットに適した食材であり、これがアメリカでブームを起こした理由として考えられます。

枝豆に含まれるコレステロールを下げる成分

さらに枝豆にはコレステロールを下げるのに有効な栄養成分が他にも含まれています。

レシチン
リン脂質のレシチンには血管壁に付いた悪玉コレステロールを取り除き、肝臓に戻す作用があります。肝臓に取り込まれた悪玉コレステロールは排泄処理されるため、結果的には悪玉コレステロールが下がることになります。

サポニン
血中の悪玉コレステロールが酸化されると血流が滞り、血液がドロドロになります。配糖体であるサポニンは、コレステロールの代謝を促進し、コレステロールを下げる効果があります。

コレステロールが高い人に適した枝豆の摂り方

1日の摂取目安量は?

先ほど説明をした通り、FDAが出した見解によると、大豆タンパクは1日25g以上の摂取で大幅にコレステロールを下げることができます。この量はさや付きの枝豆で考えると約200gに値します。

数字で見ると多いように感じますが、さやから身を取り出して食べるものですので、実際はそれほど多くありません。さらに、日本人は大豆タンパクとして豆腐や豆乳などの他の食品からも摂る機会が多く、この数字をクリアすることは難しいものではなさそうです。

食事への摂り入れ方

それでは、他の大豆食品を食事に摂り入れた時の例を見ていきましょう。

冷奴 (一食分60g)
1649_1木綿豆腐60gに含まれるタンパク質の量は4gです。この場合は1食あたり60gの枝豆を摂取すると、3食で1日の目安量の大豆タンパク25gを摂ることが可能です。さや付きの枝豆は1つあたり約3gであることから、約20個に値します。

調整豆乳(1パック200ml)
1649_2一般的な豆乳1パック200mlには約7gの大豆タンパクが含まれています。間食や朝食に豆乳1パックを飲んだ場合には、1食あたり50gの枝豆を摂取することで1日の摂取目安量をクリアできます。

このように、他の大豆食品と組み合わせながら枝豆を食事に摂り入れることで、1日の摂取目安量により近づけることが可能です。また、1日単位で考えるだけではなく、他の大豆料理の頻度に合わせて、長くても1週間単位で考えていくと調整がしやすくなりますよ。

枝豆の食べ過ぎには注意が必要なタイプとは?

枝豆からは色々な栄養素を摂取することが可能ですが、痛風がある人は要注意です。痛風の原因となる尿酸はプリン体からできています。プリン体はビールに多く含まれるというイメージがありますが、実際にはほとんどの食品に含まれています。その中でも100g中に200mg以上含まれるものを高プリン体食品といいます。

枝豆に含まれるプリン体は100g中48mg程度ですが、痛風を持病に持つ人は食べる量に注意が必要です。大豆タンパクを25g以上摂取するためには、1日枝豆400gの摂取が必要となりますが、その量の枝豆を摂取すると192mgのプリン体を摂取することになります。

痛風の人は、1日のプリン体の摂取目安量が400mgとされていますので、他の食品からの摂取量も考慮すると、摂りすぎに繋がってしまう危険性が高まります。このことから痛風の人は、最大でも1日400gまでを目安にするのが良いでしょう。

結論

枝豆は、豆類と野菜の両方の特徴を持ち合わせ、良質なタンパク質が豊富に含まれる健康効果の高い食材です。枝豆に含まれる大豆タンパク質やレシチン・サポニンといった成分がコレステロールを下げる効果をもたらしてくれます。

その効果は海外でも認められており、コレステロールが高い人にとっては是非積極的に摂ってほしい食品の一つです。1日の目安量は大豆タンパク質で25g以上、枝豆に換算すると200g以上です。他の大豆食品の摂取も考慮しながらコントロールしていきましょう。

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 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。