「イカが悪玉コレステロールを上げる」はもう古い!食べても問題ない理由

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1530_3イカは様々な料理に用いることができ、家庭の食卓に並ぶことも多く、私たちにとって馴染み深い食品です。

しかし、以前はイカを食べることでコレステロールを上げると言われていたこともあり、健康のためには食べる量を調整する必要があると認識されていました。

しかし、現在ではその常識は覆されており、イカを摂取することで悪玉コレステロールが上がる心配はないと発表されています。

それでは、どうしてイカを食べても問題はないのか、コレステロールについての観点から解説していきます。

イカってどんな食べ物?

食品成分

それではイカ100gあたりの栄養素の量を見ていきましょう。イカにはいくつか種類がありますが、家庭での使用頻度が高い「スルメイカ」について解説します。

1.エネルギー量・水分・主要栄養素

エネルギー 88 kcal
水分 79.0 g
たんぱく質 18.1 g
脂質 1.2 g
炭水化物 0.2 g

2.ミネラル類

ナトリウム 300 mg
カリウム 270 mg
カルシウム 14 mg
マグネシウム 54 mg
リン 250 mg
0.1 mg
亜鉛 1.5 mg
0.34 mg

3.ビタミン類

βカロテン当量 0 μg
ビタミンA 13 μgRAE
ビタミンD 0 μg
ビタミンE 2.1 mg
ビタミンK 0 μg
ビタミンB1 0.05 mg
ビタミンB2 0.04 mg
ナイアシン 4.2 mg
ビタミンB6 0.2 mg
ビタミンB12 6.5 μg
葉酸 5 μg
パントテン酸 0.54 mg
ビタミンC 1 mg

イカは筋肉や血液を作る材料となるたんぱく質を多く含み、脂質や糖質が少なくダイエットにも適している食材です。他にも健康効果の高い様々な栄養素を含み、私たちの体に様々な効果をもたらしてくれます。

特に多く含まれている栄養素は次のとおりです。

ナイアシン
ビタミンB群の仲間で、主にエネルギー代謝のサポートをする働きがあります。またアルコール分解酵素の働きを助ける補酵素にもなるため、お酒の席でのおつまみとしても実は最適な食材なのです。

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ビタミンB12
アミノ酸代謝やたんぱく質の合成に必要な栄養素です。貧血予防にも効果的で、神経機能を正常に保つ働きがあります。

亜鉛
亜鉛は、酵素やタンパク質の合成・インスリンの生成に欠かせないミネラルの一つです。また、正常な味覚を維持働きもしています。

イカは悪玉コレステロールを上げません

イカに含まれるコレステロールの量について

成分表から炭水化物・たんぱく質・脂質の割合を見ると、たんぱく質が多く脂質の量がとても低いことがわかります。しかし、実際にイカ100gあたりのイカに含まれるコレステロールの量は270mgと多めです。このことからも、イカに含まれる脂質のほとんどが、コレステロールから構成されているということができるでしょう。

今までは、1日のコレステロールの摂取目安量として、健康的な人で500〜600mgと設定されていました。スルメイカは1杯で300g程度ですので、1杯全て食べてしまうと軽くその目安量を超えてしまいます。

以前はその部分ばかりが注目され、「イカはコレステロールが高い食品だ」というイメージが強く浸透してしまいました。しかし、2015年度の「日本人の食事摂取基準」の見直しによって、コレステロールに関しての基準値が撤廃されてしまったのです。

そのため現在では、イカを含め、卵や魚卵などのコレステロールを多く含む食品に関しても、血中の悪玉コレステロールを増やすことはないとされています。それでは、イカに含まれるコレステロールが、なぜ血中の悪玉コレステロールの上昇に影響しないのか、詳しく見ていきましょう。

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イカが血中のコレステロール上昇に影響しない理由

実はコレステロールは、私たちの体の中でも作ることができます。例えば、体重が50kgの人では1日600〜650mgの量が肝臓で作られています。

食事から摂取されたコレステロールの吸収率は40〜60%程度であり、300mgのコレステロールを摂取すると120〜180mgが吸収される計算です。このことから、体の中で作られるコレステロールの量と比較するととても少ないことがわかります。

つまり、食事から摂取されるコレステロールが全体の20〜30%であるのに対し、体内で合成されるコレステロールは70〜80%にもなります。さらに、コレステロールの量は自動的に調整されます。食事から多く摂取してしまった場合には体内で作られる量が減るため、常に一定の量を保とうという機能が働いているのです。

このような理由から、食事からのコレステロールの摂取量に対する基準値が撤廃されたということになります。

イカのもつ健康効果

コレステロールを下げる効果のある栄養素

実は、イカにはコレステロールを下げる働きがある栄養素が含まれています。

EPA・DHA
血栓ができるのを防いだり、悪玉コレステロールを低下させる働きがあります。さらにDHAは、脳を活性化させて記憶力や学習能力の向上、認知症の予防効果もあるといわれています。

タウリン
1530_1タウリンは、血圧を下げる効果、コレステロールの代謝促進、血流改善、疲労回復、肝機能向上など様々な働きをしています。

今まではコレステロールを多く含む食品として、イカの摂取量に関しては注意する必要がありました。

しかし、その陰に隠れてこのような重要な働きを持っている栄養成分が含まれていることは見過ごされてきたのかもしれません。

食品からのコレステロールの摂取が、コレステロールの上昇に影響はないということになると、むしろこのような成分が注目を集め、イカがコレステロールの低下に繋がる食品であるというイメージが浸透する日が来るかもしれませんね。

ダイエットに最適

高たんぱく・低脂質はダイエットに欠かせない条件の一つです。イカはその条件を満たし、ヘルシーな食材としてダイエット中にも大活躍してくれます。また、おつまみのスルメはよく噛んで食べることができるので、空腹感を抑えたりさらには禁煙中で口が寂しいときにも活用できそうですね。

結論

イカに含まれているコレステロールの量は、他の食品と比較するととても多く、そのことが血中のコレステロールを上げるといわれている理由でした。

しかし、実際にはコレステロールは体内でも作られるということ、さらに体内で自動的に量が調整され、一定に保てるようになっているということが判明し、現在ではコレステロールの摂取基準値は撤廃されています。

イカにはビタミンやミネラルだけではなく、EPAやDHA、タウリンなどの栄養効果の高い栄養素も含まれています。さらに、低カロリー・高タンパクの食品であり、ダイエット効果も期待できます。
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もちろん、一つの食品を摂りすぎると栄養バランスが崩れて体調不良に繋がります。コレステロールを上げないからといって、いくらでも食べて良いということにはなりませんので食べ過ぎには注意が必要です。

ただ、コレステロールの上限量を気にする必要はなくなったので、今までよりも気を抜いて、楽しく食べることができるようになることでしょう。

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 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。